あらゆる創作表現規制に徹底抗戦

 

『こどもの日』実行委声明

 5月5日=こどもの日において、私たち児ポ法改悪阻止・青環法粉砕実行委は、自民党による 「改正案」に断固とした拒絶の意志を示すとともに、反対運動に関わってきた全ての人々へ強い危機感を持って警戒を呼びかけます。

 骨子案を見るかぎりでは、今回の法改正における創作表現への規制・弾圧は阻止され、 現行の実写映像に対する罰則の重罰化が行われただけのように見えます。
 しかしながらこの実写ポルノ重罰化の中に「単純所持罪」という極めて危険な項目が隠れ潜んでいます。

 「単純所持」というのは文字通り、いかなる目的であれ所有することです。
 この法律が施行されれば、未成年のポルノ画像はただ持っていることだけでも犯罪者 になります。
 刑法でこういった「ただ持っていること」すら禁止されているのは麻薬 と銃器ぐらいです。
 「児童ポルノ」とは麻薬や銃器並みの「禁制品」ということになったのです。
  しかも、児ポ法での「単純所持」の禁止は、麻薬や銃器の単純所持の禁止とは全く別次元の、極めて危険な法案であると言えます。
 その問題点のひとつに「適用範囲が甚 だ不明確である」ことがあります。

 まず第一に「児童ポルノとは何か?」という定義が不明確です。
 現行法では、児童ポ ルノとは18歳未満の「性欲を興奮させ又は刺激する」写真・ビデオ・その他としてい ます。
 この「性欲を興奮させる」とはいったいどういうことで、誰が決定するのでしょ うか?
 それが麻薬や銃器であるかないかが、人それぞれの価値観で判断が別れることはありません。
 しかし「児童ポルノ」に関しては判断が一定ではなく、ある意味ではどこまでも解釈が拡大可能な文案であると言えます。

 第二に「何が所持なのか?」ということも不明確です。
 電子データとしてインターネッ ト上で送信される画像に関しても法適用の対象にされますが、これに単純所持禁止を 厳密に適用すれば、例えば「たまたまジャンプした先のURLに児童ポルノ画像が貼ってあり、それがブラウザのキャッシュに記録された」「自分が管理するサーバーに作っ た掲示板に、誰かが児童ポルノ画像を貼り付けた」「児童ポルノ画像つきスパムメー ルを受信した」といった情況だけで犯罪が成立してしまいます。

 勿論、現段階では罰則は無いので逮捕されたり罰金を払ったりすることはありませんが、罰則が付加されるのは時間の問題です。
 また現段階でも警察はこれを理由に家宅捜索やパソコンの押収といったこともできるようになります。
 単純所持規制はほとんど際限ない取締りを可能にする劇薬であると言えます。
 そしてその単純所持規制は、実在する児童保護という目的の為ではなく、「児童ポル ノを見ることが不道徳」という、道徳を法で定める発想、すなわち中世の法概念に基づいた発想から生みだされたものです。

 この「道徳悪、即ち法規制の対象」という発想は、マンガ・アニメ・ゲームを規制 すべきだという発想と直結しています。
 実在児童の保護の観点と関係があろうと無かろうと、それが社会的に無害であろうと無かろうと、法学的に問題があろうと無かろうと、道徳的感覚的に受け付けないものは公に排斥され消滅すべきだとするスタンスは、マンガアニメ愛好家や表現者の立場や生存権など一切認めないからです。
 「全て の国民が同一の道徳の元に法的に統制されるべきだ」という発想と「価値観・表現の自由」とは両立しえないのです。

 「規制推進派」は今もなお、空想表現の「浄化」への執念を捨てていません。
 今回は何とかその攻撃を防ぎきったとしても、「単純所持罪」は今後を見据えての彼 らの布石に他なりません。
 もしも、この「所持罪付き児ポ法」にCGやイラスト等の表現規制項目が追加されれば 悪夢のような事態を迎えます。
 「性欲を興奮させる」という、どのようにでも拡大可能な定義によって、それを買い求めることは勿論、こっそりと個人的に所有することすら禁止されます。
 日本が世界に誇れるマンガアニメ文化が、永久に取り返しのつか ない破壊に見舞われることでしょう。
 私たち児ポ法改悪阻止青環法粉砕実行委員会はこのような文化ジェノサイドを呼び込む布石である、児ポ法「所持罪」追加に反対します。

2003年5月5日 児ポ法改悪阻止青環法粉砕実行委

※転載歓迎します

 

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