第4回公判 被告人尋問
〜その2〜

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○弁護側による被告人尋問・10月1日の逮捕当日の調書について

弁護人:次の調書は10月1日のものですが、これは逮捕された時のものですが、このときの調書にも「『密室』がワイセツな文書だ」と書かれていますが、このときも取調官は同じ人だと思うのですけど、この日もあなたにワイセツ性について聞いてきたのですよね?
被告人:はい。このときも私は「ワイセツではない」と答えましたが、すると刑事は「認めなければ妻を逮捕する」と言ってきました。それから「阿久津も逮捕する、他の社員も何人でも逮捕する。マークして何度でもやってやるからな」と言われました。
弁護人:今のところ確認します。妻も逮捕する?
被告人:はい。
弁護人:阿久津も逮捕する、他の社員も逮捕すると?
被告人:何人でも逮捕すると言われました。
弁護人:あなたの奥さんも松文館の社員だとおもうのですが、肩書きはなんですか?
被告人:専務取締役です。
弁護人:専務取締役はどのような仕事をしているのですか?
被告人:会計経理一般です。
弁護人:銀行などとの交渉もしているのですか?
被告人:はいそうです。最終決済は私ですが、実務は全て任せています。
弁護人:先程、阿久津さんという名前がでましたけど、この方はどういう人ですか?
被告人:阿久津は松文館の常務取締役です。
弁護人:具体的にはどういう仕事をしているのですか?
被告人:本を流通させる責任者で、取り次ぎ店との交渉を担当しています。彼がいないと本が事実上出版できなくなります。
弁護人:あなたのほかに高田さんも逮捕されていますが、彼はどういった役職ですか?
被告人:編集局長をやっています。彼は本を作るほうの責任者です。
弁護人:他の社員で取り調べを受けた人はいますか?
被告人:妻と、出版の現場の社員、それから倉庫管理の責任者が取り調べを受けました。


○弁護側による被告人尋問・10月16日の拘置理由開示公判の日の調書について

弁護人:次に、10月16日付けの調書、これは勾留理由開示公判の日の調書について伺います。
被告人:はい。
弁護人:あなたは勾留理由開示公判で、『密室』がワイセツであるということを認めないという内容のことを陳述しましたが、どうしてですか?
被告人:私の言うことを刑事が聞こうとしないので、それを外に知ってもらおうということで、弁護士さんと相談してしました。
弁護人:この日、公判の後で取り調べをされたと思うのですが、それはどこでですか?
被告人:代々木警察署です。
弁護人:警察署に戻ったのは何時ごろですか?
被告人:6時半ごろです。
弁護人:取り調べが終わったのは何時ごろですか?
被告人:10時半か11時近かったかもしれません。
弁護人:そんな時間に取り調べをしたことは今までありましたか?
被告人:ありません。
弁護人:検事はどんなことを言っていましたか?
被告人:『密室』はワイセツなんだということをさんざん繰り返されました。裁判でも絶対勝てるとも言われました。
弁護人:検事は、このときに密室がどうしてワイセツなのか、理由を言っていましたか?
被告人:いいえ。全く言っていませんでした。
弁護人:根拠を言わなかったんですか?
被告人:ありませんでした。
弁護人:勾留理由開示公判でもあったように、この段階でも『密室』がワイセツであるとは認めなかったんですね?
被告人:はい。
弁護人:でも、この調書には、あなたが『密室』がワイセツであることを認めたと書かれていて、署名と拇印もあるんですよ。そこまで自分の考えがあるのに、どうして署名したんですか?
被告人:14日に弁護士さんと面会しまして、近日中に手形の書き換えをしなければ、現金1600万円払わなければならないという話があったんです。それと、みずほ銀行からの5000万円の融資があったんですが、私の逮捕後に、その見直しをしたいという話がありました。要するに5000万円を今すぐ返せという話です。これはほとんど会社が潰れそうな状態で、罪を認めてでも出てこないと会社が潰れてしまうということで、弁護士さんと相談して決めました。
弁護人:つまり、あなたがすぐに戻らないと会社が潰れてしまうという状況だったのですね?
被告人:はい。それともう一つ、私が「世間には松文館よりも消しの薄い出版社はたくさんある」という話をしたんです。そうしたら、検事は「その出版社の名前を言えば、明日にでも摘発してやる」と言われました。
弁護人:他の出版社の名前を言えば、そちらも摘発すると言ったんですね?
被告人:はい。私の会社は摘発を受けてから書店さんが怖がって返品が相次いでいたのですが、もし私が他の出版社の名前を挙げて、それが摘発されたら、もう漫画業界自体が潰れてしまいます。そうなったら私の責任ですので、それは言えませんでした。検事は必ずそこへ話を誘導するものですから、取りあえず1度認めようという判断でした。

弁護人:話はもどりますけど、16日の調書にはサインしたと思うのですけど、その後で、検事に内容の訂正を求めたりしましたか?
被告人:土曜日に、検察官の机の上に成年マークの入った他社の出版物がたくさん置かれていて、どれがワイセツだというような事を聞かれました。また、高田とビューティーさんが釈放されるという話を検事さんに言われたのですが、その時に「16日の調書は全部検察官が書いたことだから、書き直して欲しい」と言いましたら、検事は激怒して、「二人とも出さない」と脅されました。
弁護人:その後、保釈されるまでに取り調べはありましたか?
被告人:一度ありました。
弁護人:どんな話をされましたか?
被告人:返品されてきた『密室』が倉庫に440冊あるので、それで再逮捕して追起訴するぞと脅されました。
弁護人:検事は倉庫の440冊の『密室』が倉庫にあることが罪になると言ったんですね? 
被告人:そうです。よくわからないのですが、取り置きしたということなのかと思います。話は2分くらいで終わりまして、その後で竹書房の話がでました。テンメイという写真集の話です。これが根拠でワイセツなのだという話をされました。私は「それは写真集で、私どものは絵です」と答えました。
弁護人:以上です。

以上が弁護側によって明らかにされた、警察署内でのやり取りの一部始終だ。
「サインするまで返さない」のは悪徳キャッチセールスだけかと思っていたのだがそうでもないらしい。
留置所の中は無法地帯で、ヤクザさながらの脅迫に貴志氏は数ヶ月間も耐え続けていたようだ。

弁護側の尋問に続き、検察側の反対尋問が行われる。


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※尚、このレポートはメモ及び記憶を元に作成されており、あくまで公判のイメージを伝えるためのものですので、多少の記述の食い違いは御容赦ください。
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※制作は児ポ法改悪阻止青環法粉砕実行委員会が行なっています。 また、制作に当たり匿名の方の協力をいただきました。



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